(3)キャリアと介護の両立支援

介護は先の見通しが立ちにくく、長期に及ぶ可能性がある。そこで三井住友銀行は2010年11月、従業員の「仕事と介護の両立」を支援するため、①介護休業・短時間勤務の拡充、②介護に関し専門家に相談できる従業員専用窓口「SMBC介護相談デスク」の設置、③介護制度の利用要件・サービス内容を解説した『ワークライフバランス・ガイドブック(介護編)』の作成等を行った。

その後、日本において高齢化が進行するとともに、要介護(要支援)認定者数が増加するなか、今後介護負担を抱える従業員がさらに増加していくことが想定された。そこで、三井住友銀行は2015年10月、従業員向けに「介護セミナー」を初めて開催し、介護に関する情報提供を強化するとともに、自己啓発ポータルサイトSMBC Academyに「介護サイト」を設置して介護関連コンテンツを掲載した(注18)。同時に、国内全従業員を対象に介護実態調査を実施した(回答数約1万2,000人)。その結果、全体の6%の従業員が、「現在、介護をしている」と回答したほか、非常に多くの従業員が、仕事と介護の両立に漠然とした不安を抱え、介護に直面した場合の就業継続を不安視していることが明らかとなった。

そこでアンケートで寄せられた要望等を踏まえ、2016年4月、介護休暇・介護休業の柔軟化や時間外労働等の免除措置の新設、介護休業等の対象家族の要件緩和等を実施した。さらに、2016年6月、キャリアと介護の両立に向けて今やっておくべきことや、介護に直面した後の初動対応、具体的な両立事例等を説明した『キャリアと介護の両立ブック』を策定し、従業員全員に冊子を配布した。

(画像)キャリアと介護の両立ブックの表紙
三井住友銀行『キャリアと介護の両立ブック』表紙