(2)「SMBC Private Wealth」の立ち上げ
2020年4月、当社は資産運用ビジネスをサステナブルに発展させていくために、成長分野の一つである大口富裕層向けビジネス強化策として、サービスブランド「SMBC Private Wealth」を立ち上げた。三井住友銀行、SMBC信託銀行、SMBC日興証券3社によるこれまでの連携・協働は、お客さまの紹介や商品・サービスの相互提供などにとどまっており、お客さまにとって真の意味でのワンストップになっていなかった。そこで、グループのノウハウ・サービスを集約し、お客さま対応力を強化するために「SMBC Private Wealth」をスタートさせた。
まず2020年4月に、グループ全体のプライベートバンキングビジネスおよび資産運用ビジネスを企画・立案する部署として、当社のリテール事業部門にウェルスマネジメント本部およびウェルスマネジメント企画部を新設し、物理的なオフィスの場所をSMBC日興証券内に置くと同時に、フロントサポート部隊としてSMBC日興証券内にプライベート・ウェルス戦略部を設置した。これまでの三井住友銀行中心の発想から脱却し、資産運用ビジネスにおいて高度かつ多様な機能と優れたノウハウを有するSMBC日興証券を中心に据えた点が大きな特徴だった。プライベート・ウェルス戦略部に、SMBC日興証券をはじめ、三井住友銀行、SMBC信託銀行の専門人材を集約し、同部において3社が連携して、お客さまに提供できる最適なサービスの検討・開発を行う体制を整えた。これに伴い、3社のプライベートバンカーは、プライベート・ウェルス戦略部と連携しながら、自社商品にとらわれることなくお客さまにとって最適な商品・サービスをワンストップで提供することが可能となった。
具体的なサービスは、図表5-12の通り。資産運用、ソリューション、非金融サービスなど3社が有する機能を集め、これらを一本化して提供するサービスブランドが「SMBC Private Wealth」である。

これに合わせて、営業拠点の見直しも行った。SMBC日興証券においては、三井住友銀行からの紹介によるお客さまが多かったSMBCウェルスマネジメント部と、上場企業のオーナーが比較的多いプライベートバンキング関連の7部室を統合・再編することで、ソリューション提供力の向上を図った。三井住友銀行では、プライベートバンキング営業部に加えて、新たに地域プライベートバンキング営業部を設置し、地域プライベートバンカーが法人営業部に常駐しながら、企業オーナーとの取引深耕を図っていく形とした。

2021年4月には、グループの資産運用ビジネスのさらなる高度化を目的にウェルスマネジメント本部を再編し、グループの資産運用ビジネス全体を統括するウェルスマネジメント統括本部と、「SMBC Private Wealth」ブランドの下でグループのプライベートバンキングビジネスを統括するプライベートウェルス本部を設置。資産運用ビジネスのノウハウを有するSMBC日興証券を中心に、エンティティの枠を超えて、グループ全体のパフォーマンス極大化を図ることとした。
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第1章不確実性が増す外部環境
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第2章新たなガバナンスの下でのグループ・グローバル経営の強化
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第3章「カラを、破ろう。」
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第4章「お客さま本位の業務運営」の徹底
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第5章リテール金融ビジネスにおけるビジネスモデルの変革
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第6章ホールセールビジネスにおける真のソリューションプロバイダーを目指して
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第7章グローバル・プレーヤーとしての進化
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第8章高まる不透明感の下での市場ビジネスの進化
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第9章アセットマネジメントビジネスの強化
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第10章デジタル戦略の本格展開
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第11章G-SIBsとしての内部管理態勢の確立
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第12章業務インフラの高度化
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第13章グループ経営を支える人事戦略
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第14章持続可能な社会の実現に向けた取り組み
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第15章「コロナ危機」への対応
- おわりに