(3)事務サービスの向上
三井住友銀行は、事務の効率化を図る一方で、お客さまニーズの変化や社会的な要請に応えて、様々なサービスの向上に努めた。
一例を挙げると、郵送対応が原則だったキャッシュカードの再発行について、お客さまの利便性向上のため、2012年2月から店頭での即時再発行の試行を開始。2014年8月には、新規口座開設時を含めて、キャッシュカードを店頭即時発行とした。また、2014年7月に新型ICキャッシュカードの発行を開始した。これは、磁気ストライプ・ICチップ・生体認証という3つの機能を兼ね備えたキャッシュカードで、高いセキュリティを確保しつつ、ATMの種類による制約のない利便性の高いキャッシュカードである。

このほか、リモート取引におけるセキュリティを高める新型パスワード生成機「パスワードカード」の導入(2013年10月)、来店せずに口座が開設できるスマートフォン向け「口座開設アプリ」の導入(2015年2月)、スマートフォンアプリ版「パスワードカード」の導入(2015年8月)、通帳の磁気エラー防止のための高抗磁力通帳の導入(2016年2月)、振込24時間365日対応(本支店間は2017年4月、他行宛ては2018年10月開始)など、サービス向上に努めた。
高齢化社会への対応としては、2013年3月に「代理人指名手続」を制定した。これは、高齢者取引の増加に伴い、入院等で預金者本人が来店できないケースが増えていたことから、あらかじめ銀行に対して代理人を届出することにより、代理人による預金の払戻手続に応じる仕組みである。2020年8月には、運用商品の解約等に関しても、条件付きながら代理人による手続きを許容する特例を設けた。
また、成年後見制度の浸透、同制度に関わる法律の改正、利用者の増加に対応して、事務手続の簡素化・明確化を進めるとともに、オンライン管理に移行することで適正な運営を図った。なお、成年後見制度の手続きは煩雑で事務負担も大きいことから、2018年2月から事務を相続オフィスへ順次集中している。
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第1章不確実性が増す外部環境
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第2章新たなガバナンスの下でのグループ・グローバル経営の強化
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第3章「カラを、破ろう。」
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第4章「お客さま本位の業務運営」の徹底
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第5章リテール金融ビジネスにおけるビジネスモデルの変革
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第6章ホールセールビジネスにおける真のソリューションプロバイダーを目指して
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第7章グローバル・プレーヤーとしての進化
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第8章高まる不透明感の下での市場ビジネスの進化
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第9章アセットマネジメントビジネスの強化
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第10章デジタル戦略の本格展開
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第11章G-SIBsとしての内部管理態勢の確立
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第12章業務インフラの高度化
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第13章グループ経営を支える人事戦略
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第14章持続可能な社会の実現に向けた取り組み
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第15章「コロナ危機」への対応
- おわりに