(2)職域取引の推進

企業との取引を通じた個人向けプロモーションは、新規のお客さまとの取引を開始・拡大する重要なルートの一つとなっている。従来から三井住友銀行では、企業取引の窓口となっている法人営業部等を通じて取引先企業の人事部・総務部などにアプローチし、新入社員の給与受取口座の開設、マネープランやライフプランに関わる企業内セミナー・説明会等の実施、大手企業向け職域専用住宅ローンの提供などを行ってきた。

ここ10年の間に注力してきた取り組みの一つに、取引先大企業の役員取引強化がある。2015年、職域取引事業部内に専任の担当者を配した推進チームを立ち上げ、特別金利を付与した専用の円定期などを用意。推進チームと都心部の法人営業部等が協働して、取引の推進を図った。

また2015年頃からは、大学と連携した学生口座の獲得にも注力した。新入生が入学する時期に合わせて、大学内での口座開設キャンペーン実施や入学書類へのチラシ同封、大学内へのATMの設置などにより口座獲得を図った。大学を通じた新規のお客さま獲得についてはグループ各社がそれぞれに取り組んでおり、三井住友カードの「大学カード」(大学との提携により特典を付与したクレジットカード)発行、セディナ(現SMBCファイナンスサービス)の「学費ローン」などがある。

職域取引におけるグループ協働の事例としては、2015年11月に開始したSMBC信託銀行の「PRESTIA Bank at Work」の紹介がある。「PRESTIA Bank at Work」は、海外赴任者や海外出張者にとって利便性の高いサービスがパッケージになった職域向け優遇プログラムで、グローバル展開する企業等を三井住友銀行がSMBC信託銀行に紹介することで、企業取引深耕や個人取引の獲得につなげている。