(コラム)

「トリプルアイ」と「未来」の開催スタート

三井住友銀行と日本総合研究所は2016年2月、先進性の高い技術やビジネスアイデアの事業化を支援する、異業種連携の事業コンソーシアム「Incubation & Innovation Initiative」(以下、トリプルアイ)を発足させた。

トリプルアイは、コンソーシアムメンバーおよびスタートアップ企業、研究機関、金融界等が緊密に連携し共同研究や新規事業開発を実施するとともに、シンクタンクである日本総合研究所の本来の強みを活かし、産業・法制度の調査研究や各種セミナーの開催、規制改革や官民協働プロジェクトの提案などを実施した。

トリプルアイが活動の一環として主催したのが、インキュベーション・アクセラレーションプログラム「未来2016」(最終審査会は2016年4月)。全産業領域を対象とし、技術シーズ等を活用しようとしている起業家候補やスタートアップ、大企業からのカーブアウト(事業の切り出し)を目指す挑戦者のビジネスプランを全国から募集し、日本総合研究所およびベンチャーキャピタル等の外部アドバイザーが事業計画のブラッシュアップを行ったうえで、ピッチコンテストを実施した。最終審査で優秀と認められたチームには事業開発(試作品作成、機能・事業化検証等)のための資金として200万円が授与された。トリプルアイは異業種連合のコンソーシアムであるため、スタートアップにとっては、様々な業種の企業との連携の可能性があることもメリットとなった。

2015年度よりスタートした「未来」はその後も継続され、コロナ禍にあった2020年度もオンラインで「未来2021」(注11)が開催された。なお、2021年3月末時点で11社が国認定の有力スタートアップ、「J-Startup」(注12)に選出されている。

(写真)壇上に集合したピッチコンテスト関係者
「未来2020」ピッチコンテスト最終審査会にて