(2)新事業・非金融領域における成長の加速

事業再編によって銀行法では制約されている事業投資や事業運営などの業務もできるようになり、お客さまに提案できるソリューションの幅が広がることとなった。

具体的に、三井住友ファイナンス&リースは2018年10月、100%出資の戦略子会社「SMFLみらいパートナーズ株式会社」を設立し(2019年4月営業開始)、不動産事業や環境エネルギー事業といった非金融領域での成長を加速させた。不動産事業については、SMFLみらいパートナーズが三井住友ファイナンス&リースより不動産リース事業を承継するともに、その子会社が2021年1月、独立系不動産投資アセットマネジメント会社で国内最大手のケネディクス(注67)を株式公開買付け(TOB)を通じて買収した。私募ファンドやREIT運営のノウハウを持ったケネディクスのグループ入りにより、SMFLみらいパートナーズは、より大規模な不動産ビジネスにも参入することが可能となった(注68)

また、SMFLみらいパートナーズは再生可能エネルギー事業を成長戦略の一つに掲げ、稼働済み太陽光発電事業を取得・運営するなどして、太陽光や風力、水力発電等の再生可能エネルギー事業に参入している。さらに、マテリアルリサイクルのトップ企業と合弁で、設備・プラント処分元請会社「SMART」を2019年4月に設立。リース会社ならではの多岐にわたるモノに対する知見やノウハウを活かし、リユース・リサイクル・リデュースの3R活動を推進することで、循環型社会の実現にも貢献している。

既存のトランスポーテーション分野(注69)においても、航空機リース事業(注70)に加えて、2019年4月に三井住友ファイナンス&リースが住友商事から航空機エンジンリース事業会社の株式を取得(三井住友ファイナンス&リース65%、住友商事25%)して共同事業化したほか、2020年6月には、世界第3位のヘリコプターリース会社と共同で新会社を設立し、日本初となるヘリコプターリース事業に本格的に参入するなど、業務の幅を広げている。