(4)店舗の在り方を変える

「店舗の在り方を変える」とは、リモート取引の推進や後方事務の集約などにより店舗の後方スペースをコンパクトにし、これにより生じたスペースを有効活用して、店舗をコンサルティングの場へと変えていくことである。併せて、店舗デザインを統一するとともに、拠点によっては、移転や小型化によるコストの削減を図った。

2017年度以降、改装約340ヵ店、移転等90ヵ店弱を実施し、全店を次世代型店舗へと移行した。新たな店舗デザイン、次世代型店舗の主な特徴は図表5-9の通り。お客さまとの相談用スペースを広く確保し、ロビーで手続きの案内を行うとともに、これまで口座開設や諸届受付など手続きのみで終わっていたお客さまに対しても、その背景にあるお客さまニーズをくみ取り、平準払保険や積立商品の提案を行うなどコンサルティングの強化を図った。

図表5-9 次世代型店舗におけるロビー、トランザクションゾーン、ライフプランニングゾーン、プレミアムゾーンについて、写真付きで解説
(図表5-9)次世代型店舗のイメージ

また、拠点の特性や立地条件に応じて、機能の絞り込みや拡充を行い、より効率的・効果的にお客さまニーズに応えられるような施策も打ち出した。個人専用店舗は、個人のお客さま向けのコンサルティングを強化するために、サービス提供を個人のお客さまに限定した店舗で、法人のお客さまの取引については法人事務集約拠点とした近隣の大型店舗にて対応した。個人専用店舗は「SMBC The PERSONAL」の呼称で展開し、2021年3月までに出張所を含めて31ヵ店が移行。今後、さらなる拡大を予定している。

(画像)個人専用店舗を表す「SMBCザ・パーソナル」と書かれたロゴマーク
個人専用店舗のロゴマーク

またワンストップの実現と同時にコスト削減の観点から、三井住友銀行だけでなく、SMBC信託銀行やSMBC日興証券も同じ建物に入る「グループ共同店舗」化も推進した。銀証信の連携によりお客さまへのサービス提供が強化されることに加え、応接室やセミナールーム、食堂などを共用とすることでコスト削減も期待できる施策で、2021年3月までに36拠点をグループ共同店舗とした。

このほか店舗の在り方に関わる取り組みとしては、一部ターミナル店舗における休日の事務即時処理の実施、1つの建物内に2つの拠点が同居する共同店舗方式(注15)による店舗統合の実施、次世代型店舗に合わせたイメージ戦略としてのコーポレートスーツの導入(2018年1月以降順次)などを進めた。