第13章
グループ経営を支える人事戦略

1.グループ人事運営の強化

SMBCグループは2015年12月に「FG人事ワーキンググループ」を設置するなど、人事関連情報のグループ横断的な共有等を行っていたが、実際の人事運営は、基本的にはグループ各社に委ねられていた。そうしたなかで、2017年4月にSMBCグループが事業部門制やCxO制等をベースとする新たなグループ経営体制に移行すると、グループCHRO(Chief Human Resources Officer)を中心とする、グループベースの人事運営体制の整備を進めた。具体的には、三井住友フィナンシャルグループ(当社)の人事部に一定の人事企画やグループ各社の人事制度の横串機能を付与して、人材マネジメントの高度化や人材交流の拡大、採用における連携強化、グループ全体での人員・人件費管理を強化した。

グループ人事運営を強化したことで、2020年4月の大口富裕層向けビジネス「SMBC Private Wealth」立ち上げに際しては、SMBC日興証券のプライベート・ウェルス戦略部に、三井住友銀行やSMBC信託銀行等のグループ各社からの出向者を集約するなど、エンティティの壁を越えた人材マネジメントを円滑に実施することができた。

また、グループ経営を強化する過程で、グループ会社のビジネスを熟知した人材プールの形成が大きな課題となってきたため、2018年度より、グループ経営を担う人材の育成を目的に「グループ経営人材育成プログラム」を導入した。これは、グループ会社に中堅人材を相互に送り込み人材育成を行うプログラムで、その継続的な実施を通じて、グループ経営人材のプールを形成することとした。