(2)ALM運営の高度化

三井住友銀行の市場営業部門は従来、運用・調達を外貨と円貨に分けて別々の部署が担当していた。ALM(Asset Liability Management:資産・負債の総合管理)についても、外貨調達力強化の過程で2013年に外貨ALM専門部署を新設して以降、外貨ALMは外貨建プロダクトを扱う市場運用部、円貨ALMは円貨建プロダクトを扱う市場資金部が、それぞれ担当していた。しかし、内外の金融市場の連関度が一段と高まり、各国中央銀行の金融政策の相互作用も従前よりも大きくなったため、外貨と円貨を分けて運営するよりも、運用・調達等の機能別の運営のほうが市場動向を的確に読み取ることができ、危機時の資金繰りにも効率的に対応できる、と判断した。2020年4月、通貨別から機能別へ、市場営業部門の組織を大きく変更し、市場資金部の下に、円貨と外貨のALM機能を統合し、加えて、起債およびALM高度化推進機能も集約した。

グループベースでは2016年4月、当社企画部にグループベースのALMの企画を所管するALM統括グループを設置したほか、2017年4月、事業部門制・CxO制の導入に伴い、グループ全体のALM管理・資金調達戦略の企画立案を行う部署として、企画部内にコーポレートトレジャリー室を設けた。主要グループ会社における年度資金調達計画への関与に加え、FTP(Fund Transfer Pricing)レート運営(注11)も活用しながら、グループ全体のバランスシート効率化を推進している(注12)