(3)グループ会社連携におけるコンプライアンスの徹底

三井住友銀行は2009年6月、金融商品取引法上のファイアーウォール規制が改正されるのに合わせて「ファイアーウォール規制に関する管理規則」および「関連証券会社との連携手続」を制定するとともに、勉強会を開催するなど、ファイアーウォール規制の遵守徹底を図ってきた。2011年7月には「ファイアーウォール規制遵守に関する誓約書」を制定したほか、就業規則を改定して「故意にファイアーウォール規制に関する管理規則に違反して、非公開情報等をグループ証券会社等との間で授受」することを懲戒解雇事由として追加した。

また、金融庁が「平成27事務年度金融行政方針」において重点検証項目の一つとして「グループガバナンスの強化」を掲げるなど、グループ会社管理体制のさらなる高度化が求められるなか、三井住友銀行は2016年1月、グループ会社との協働が法令諸規則および社会慣行等を遵守し適切に遂行されることを確保するため、「グループ会社との協働に関するコンプライアンス規則」を制定した(2017年4月には当社も策定)。

しかしながら、2018年度に実施した各種調査において、不適切な懸念のある銀証連携事例が一部に見られることが明らかとなった。その要因の一つに、本部が制定した曖昧で解釈の余地が大きいルールがあると考えられた。そこで三井住友銀行は、2019年1月に「法人向け銀証連携に関する手引き」を、同年2月には「個人向け銀証連携における顧客対応の手引き」を制定し、銀証間の役割分担を明確化し、それに基づく銀証連携ビジネスを推進するためのポイントをわかりやすく取りまとめ、コンプライアンスを大前提にお客さま本位の業務運営の中で銀証連携を進めることを改めて徹底することとした。

また、証券会社にとどまらず、グループ会社との連携を強化するなかで、当社は2019年5月、グループ会社連携に際して参照すべき基本的な法令諸規則を解説した「グループ会社連携に係るコンプライアンスガイドライン」を制定し、グループ会社連携の適切な推進の確保に努めた。同年6月には三井住友銀行が、「法人向けグループ連携に関する手引き(除く銀証、銀信連携)」を制定しルールの明確化を図ったほか、同年9月には銀証連携による対顧業務に従事する役職員を対象とする「資格・任命制」を導入し、銀行法・金融商品取引法等、各種法令・行内ルールをその趣旨・背景も含めて学習したうえで業務にあたるとともに、その理解度を定期的に確認する体制に改めた。2021年4月には、コンプライアンス委員会の内部部会として「グループ連携ビジネス管理部会」(部会長:グループCCO)を新設し、グループ連携ビジネスにおけるコンプライアンス・リスク管理について協議することとした。