2.次世代への取り組み

当社グループは、「次世代への取り組み」として、金融機能を最大限に活かし、金融リテラシーの向上や次世代を担う産業・人材の育成、新興国における健全な経済成長のための市場整備への貢献といった取り組みを進めた。

SMBCコンシューマーファイナンスは、2011年度より全国の「お客様サービスプラザ」(注13)が主体となって「PROMISE金融経済教育セミナー」を開催している。これは事業を通じて社会に貢献できる取り組みを模索するなかで始まった活動で、学生や地域の方々の金融リテラシー向上を支援すべく、「生活設計・家計管理」「ローン・クレジット」「金融トラブル」の3つのテーマで講義(出張やリモートによる講義、動画視聴によるセミナー)を行っている。2011年度から2020 年度までの累計受講者数は113万人を超えた。

(写真)学校の大ホールで開催された金融経済教育セミナーの模様
PROMISE金融経済教育セミナー(2020年1月)の模様
図表12-1 累計受講者数は2020年度末時点で113万人を超える
(図表12-1)「PROMISE金融経済教育セミナー」の累計受講者数

三井住友銀行は、3歳から15歳までの子どもたちを対象とする職業・社会体験施設「キッザニア東京」(東京都江東区)および「キッザニア甲子園」(兵庫県西宮市)のオフィシャルスポンサーとして、共にその開業当初から「銀行」パビリオンを出展している(注14)。パビリオンでは、子どもたちが働くことによって得るキッザニア専用の通貨「キッゾ」の預金口座開設や預け入れの体験を提供している。

また、2006年より、小学生が実際の銀行業務を学び体験するイベント「夏休み!こども銀行たんけん隊」を実施し、従業員による授業のほか、窓口業務の体験やATM・金庫の見学などを通して、子どもたちが金融や銀行業務の基本について勉強する機会を提供している。2017年度からは、三井住友銀行以外のグループ会社も対象として、子どもたちや家族が従業員の働く職場を訪問し、金融業務について学び体験するイベント「SMBCグループたんけん隊」も開催している。

SMBC日興証券では、2006年より「日興『家族でワクワク体験DAY』」を全国の本支店で開催している。本プログラムは、小学生とその家族がSMBC日興証券の本支店を訪れ、クイズや情報端末等を使った実体験、社員による講義等を通じて、経済やお金の流れ、金融機関の社会的役割等を楽しみながら学べる内容となっている。

(写真)SMBC日興証券の本支店で小学生とその家族が参加して開催された日興「家族でワクワク体験DAY」の模様
「日興『家族でワクワク体験DAY』」の様子(2014年8月)

三井住友カードでは1988年、利用者の負担なく、利用額の一部が公益財団法人日本ユニセフ協会に寄付される「ユニセフVISAカード」を国内で初めて発行した。1992年からはVJA(注15)として、貯まったポイントを希望の景品等に交換できるプログラム「ワールドプレゼント」(現Vポイント)において、「ユニセフに寄付」というメニューを設けて、日本ユニセフ協会の活動を支援している(注16)。同時に三井住友カードとしても、2009年より日本ユニセフ協会への企業寄付を継続している。

(画像)三井住友カードが発行するユニセフVISAカード
ユニセフVISAカード

海外では、2015年3月、三井住友銀行とインドネシア三井住友銀行(現Bank BTPN)が、インドネシアの大手企業グループDjarum Group傘下の財団Djarum Foundationと、インドネシアにおけるCSR活動を共に推進することを目的とした覚書を締結した。この覚書締結を機に、海洋訓練学校へ海洋シミュレーターや船舶用エンジン、看護学校に対して看護用シミュレーター等の訓練機器を寄贈するなど、若年層の雇用改善につながる職業訓練学校に対する寄付や役職員からの物品寄贈、質の高いカリキュラムの構築に向けた教育プログラム改善支援、等を実施した。

(写真)支援を行ったインドネシアの海洋訓練学校
インドネシアの海洋訓練学校に対する支援

また、公益財団法人三井住友銀行国際協力財団が、1990年の設立当初よりアジアから日本の大学院に進学した留学生に奨学金を支給しているほか、米国を本拠地とするSMBC Global Foundationが、1994年よりアジアに留学する大学生を対象とする奨学金の支給を継続的に実施している。