2.大企業ビジネスの高度化

(1)クライアントフォーカス“Next Stage”

国際事業部門は、前の中期経営計画(2014~2016年度)において推進してきた「クライアントフォーカス」(日系企業・非日系大企業取引の推進)を引き継ぎ、2017年度以降は「クライアントフォーカス“Next Stage”」として、日系および非日系大企業との顧客取引基盤の一段の強化に努めた。日系企業取引ではホールセール事業部門との連携を通じて、グローバルな内外一体運営をさらに強化するとともに、非日系企業取引においても、セクター知見の集積、他事業部門・他地域との連携強化や経営資源の投入を通じて、取引の複合化を推進した。

欧米においては、銀証一体での営業体制・提案力の強化に注力した。その際、債券・株式の引受業務を支える機能として、セールス&トレーディングも強化し、投資家へのアクセスを拡充した。また、2016年の英国のEU離脱決定後は、欧州における拠点再編を通じて欧州のお客さまに対する持続的・安定的な金融サービスの提供に努めるとともに、お客さまが欧州において業務を円滑に継続できるよう各種のサポートを行った(注6)

一方、アジアにおいては、2014~2016年度の中期経営計画中に、地場優良企業・成長企業のお客さまとの取引において、決済、預金、FX(外国為替)、デリバティブといったトランザクションバンキング業務に注力し、取引複合化は大きく進展した。2017年に勘定系システムの整備が完了し、次いで決済系システムの整備を進め、経費率の低減と取引複合化のサポートを推進した(注7)