3.地域・社会への対応
三井住友フィナンシャルグループ(当社)は2020年5月、SMBCグループ各社およびグループ役職員を代表して、新型コロナウイルス感染症(以下、新型感染症)対策として総額15億円を寄付することを公表した。新型感染症の拡大防止や治療法の確立に取り組む医療機関・関連団体や、人道支援、教育・福祉の充実、文化・芸術活動等に対して、様々な寄付・支援・協力を実施していくこととした。
新型感染症対策としての寄付活動
<医学研究・医療活動に対する支援>
- 京都大学iPS細胞研究所に新種ウイルスの医学研究に対する支援として5億円を寄付
- 世界的な官民連携パートナーシップ「感染症流行対策イノベーション連合(CEPI:The Coalition for Epidemic Preparedness Innovation)」(本部:ノルウェー・オスロ)に100万ユーロを寄付。ワクチン開発支援プログラムを支援
- 株式会社エムスリーの「判別CT画像解析AIサービスの医療機関向け無償支援」および「重症化予測AIの開発」に総額1億円を寄付
<新興国における医療・教育の充実に対する支援>
- 日本ユニセフ協会に1億円を寄付。新型感染症への対応を含めた、インドネシアにおける医療体制の整備等を支援
- インドネシアの医療現場に支援を行う現地医師会の関連組織に1,300百万ルピアを寄付
- アジアを中心とする各地域の人々や企業を支援するため、“SMBC Together with You Fund”を立ち上げ、総額170万米ドルの寄付を実施。 計9ヵ国で17のパートナーとの協力を通じて、生活必需品や医薬品、医療、教育に関連した様々な支援を提供
<文化・芸術の振興に対する支援>
- 公益社団法人日本オーケストラ連盟に1億円を寄付
また、三井住友銀行は、2020年5月より、個人・法人のお客さまのインターネットバンキング取引を推奨するとともに、取引に応じて医療関係団体に寄付(最大1億円)を実施する「WEBからのお手続で支えよう SMBC at HOMEプロジェクト」を実施した。対象取引を行った個人1人、法人1社につき25円の寄付を実施し、2021年1月26日に目標金額の1億円に到達、三井住友銀行が医療関係団体に対して総額1億円の寄付を実施した(注14)。
そのほか、当社は、「SMBCグループ新型コロナウイルス対策支援募金」を開設した。これは、グループ役職員から寄付を募り、集まった金額に当社がマッチングギフトとして同額の上乗せをして寄付するもので、本寄付金は、新型感染症により影響を受けた家庭への食糧支援や、子ども向けのオンライン教育提供のための機材購入等に活用された。

2021年9月に入ると、新型感染症の第5波はようやく収束傾向となり、9月30日に政府は19都道府県に発令されていた緊急事態宣言を全面的に解除した。わが国における新型コロナワクチン接種も進み、1回以上接種者は総人口の6割を、2回接種完了者は5割を超えた。しかしながら、ワクチン接種による発症予防効果が時間の経過とともに弱まることや、新たなる変異株の発生も報告されており、新型感染症の流行の終息にはまだ相応の時間がかかると見込まれる。SMBCグループとしては引き続き、お客さまや従業員の健康と安全の確保を徹底しつつ、社会機能の維持に必要不可欠な金融・社会インフラとして金融サービスの継続的な提供と地域・社会に対する支援活動に全力を挙げていく方針である。
また、コロナ危機の間、人々の暮らしや経済活動は大きく変化した。サービスの提供におけるデジタルシフトが加速したほか、在宅勤務やテレワークが増加し、人々の働き方のみならず、価値観・就業観の多様化が進展した。SMBCグループは、コロナ禍の下で経済や社会に生じたこうした変化を不可逆的なものと捉え、引き続き従業員の目標設定や成果管理・評価も含めた働き方やオフィスのあり方(注15)等を柔軟に見直していく方針である。
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第1章不確実性が増す外部環境
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第2章新たなガバナンスの下でのグループ・グローバル経営の強化
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第3章「カラを、破ろう。」
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第4章「お客さま本位の業務運営」の徹底
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第5章リテール金融ビジネスにおけるビジネスモデルの変革
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第6章ホールセールビジネスにおける真のソリューションプロバイダーを目指して
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第7章グローバル・プレーヤーとしての進化
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第8章高まる不透明感の下での市場ビジネスの進化
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第9章アセットマネジメントビジネスの強化
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第10章デジタル戦略の本格展開
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第11章G-SIBsとしての内部管理態勢の確立
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第12章業務インフラの高度化
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第13章グループ経営を支える人事戦略
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第14章持続可能な社会の実現に向けた取り組み
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第15章「コロナ危機」への対応
- おわりに