第14章
持続可能な社会の実現に向けた取り組み

1.「サステナビリティ経営」推進体制の構築

2015年以降、持続可能な社会の実現に向けた危機意識が世界的に高まるとともに、投資家が企業のESG要素(注1)に対する関心をますます強めるなか(注2)、SMBCグループは、2017年11月の2017年度上期決算投資家説明会において、日本の銀行として初めて、「環境」「次世代」「コミュニティ」、そして「ガバナンス」に関連する「SDGs(持続可能な開発目標)」(注3)および具体的な取り組み事例を開示した。また、2018年度の業務計画の策定に際しては、SMBCグループが解決に向けて注力すべき10のSDGsを特定したうえで(図表14-1)、事業活動と経営基盤の強化を通じてこれらの目標の達成を目指すことを、各事業部門の業務計画に組み込んだ。

図表14-1 環境、次世代、コミュニティ、ガバナンスに関連する10のSDGsを注力するSDGsに設定
(図表14-1)SMBCグループが注力する10のSDGs

さらに2018年10月、三井住友フィナンシャルグループ(当社)は、持続可能な社会の実現に向けて従来のグループCSR委員会を発展させて「サステナビリティ推進委員会」を設置し、委員長にグループCEOの國部が就任した。同時に三井住友銀行においても、「サステナビリティ推進委員会」を設置し、委員長に頭取CEOの髙島が就任した。これにより、経営トップの明確なコミットメントの下、持続可能性の視点を踏まえた経営、すなわち、「サステナビリティ経営」を推進する体制が整った。同時に、これまで当社企画部と三井住友銀行経営企画部内に設置されていたCSR室を「サステナビリティ推進室」と改称した(注4)

2021年4月には、グループ全体のサステナビリティの統括・推進を行うグループCSuO(Chief Sustainability Officer)を新たなCxOとして設置するとともに、7月には取締役会の内部委員会として「サステナビリティ委員会」を新設した。サステナビリティ委員会では、グループCSuOがサステナビリティを取り巻く国内外の情勢とともに、SMBCグループにおけるサステナビリティ関連施策の進捗報告やサステナビリティ関連の取組方針を付議し、委員会メンバーである取締役と外部有識者が監督・審議する体制としている(図表14-2)(注5)

図表14-2 SMBCグループのサステナビリティ経営体制
(図表14-2)SMBCグループのサステナビリティ経営体制(2021年7月)