2.グループ・グローバルベースの統合リスク管理態勢の強化

(1)リスクガバナンスの強化

2017年4月のCxO制の導入を受けて、グループCRO(Chief Risk Officer)が、事業部門やリスク管理担当部署、グループ会社連携の下、SMBCグループ全体のリスク管理を統括する体制へと移行した。具体的には、グループCROは、リスク管理担当部署のほか、事業部門の統括部署の部長で構成される「リスク管理委員会」(2017年度に新設)を定期的(原則年4回)に開催し、グループ全体のリスクに関する情報を集約・共有しながら、後述するリスクアペタイト・フレームワーク(RAF:Risk Appetite Framework)を運営することとした。

また、グループ・グローバルベースのリスク管理に関する情報共有および態勢強化を図る観点から、当社の戦略上重要なグループ会社のリスク管理担当役員が参加する「グループCRO会議」や、海外拠点の地域CROが参加する「グローバルCRO会議」を新設し、グループCROが定期的に開催することとした。また、実務面でも、リスク統括部は海外主要拠点や主要グループ会社のリスク管理部署に駐在等を配し、リスクアペタイトを含むリスク関連情報の共有および管理態勢の強化を推進する体制とした。

さらに、2017年6月の当社の指名委員会等設置会社への移行に伴い、リスク管理に関わる重要事項は、グループ経営会議への付議・決定後、監査委員会に原則として報告する体制とした(注23)。同時に、グループCROは定期的に取締役会に対してリスク管理の運営状況を直接報告することとして、ガバナンス強化とリスク管理業務執行の機動性を両立する態勢とした。

また、当社発足時より、取締役会には任意の委員会として「リスク委員会」(2015年度に「リスク管理委員会」から改称)を設置しているが(注24)、ガバナンス強化の観点から、2020年9月以降、社外取締役がリスク委員会の委員長に就任することとした。

図表11-5 SMBCグループのリスク管理体制(2021年4月時点)
(図表11-5)SMBCグループのリスク管理体制(2021年4月時点)