(コラム)

次世代ワークプレイスの試行

2020年に新型コロナウイルス感染症が世界的に流行し、日本においてもテレワークやWeb会議の利用が広がるなか、オフィスのあり方を見直す企業が増えている。三井住友銀行も2021年2月より、①生産性や従業員エンゲージメントの向上と、②スペース効率化を目指し、三井住友銀行東館において次世代ワークプレイスの試行を開始した。

具体的には、ABW(Activity Based Working)(注24)の概念を導入し、従業員の業務・行動に合わせてオフィスを「Gather(コミュニティを育む場)」「Meet(チームの生産性を高める場)」「Work(個人の生産性を高める場)」の3つに分類し、働き手が業務の内容に応じて働く場所を自律的に選択できるようにした。既存のオフィスは、「Work」がオフィスの大半を占め、個人作業中心のオフィスとして作られていたのに対し、東館における試行では、社員が集う「Gather」エリアをワークプレイスの中心に置き、その周りを「Meet」「Work」エリアが取り囲むことで、従業員のエネルギーや前向きな雰囲気が全体に波及していくことを狙った。

(画像)Gather、Meet、Workという3つのエリアで構成される次世代ワークプレス
次世代ワークプレイスのイメージ図

三井住友カード、SMBCファイナンスサービス、SMBCコンシューマーファイナンス(注25)の本社機能を集約し、2021年4月に開業したSMBC豊洲ビルや、2021年7月のSMBC信託銀行の三井住友銀行東館への移転・集約においても、ABWの概念を採用し、ボーダーレスでフレキシブルなオフィスレイアウトとした。これにより、場所や時間を自由に選択する働き方や、より活発で横断的なコミュニケーションを促すことで、生産性・エンゲージメントの向上を図っている。