(コラム)

預金者を狙った金融犯罪防止への対応

振り込め詐欺などの特殊詐欺(注18)や、フィッシング(注19)による預金の不正引出など、預金者を狙った金融犯罪は後を絶たない。三井住友銀行では、預金の信頼性確保および預金者保護の観点から、警察庁や一般社団法人全国銀行協会などと連携しながら、金融犯罪防止の啓発活動に努めるとともに、未然防止に向けた取り組みを行っている(注20)

2000年頃から増え始めた特殊詐欺は、官民を挙げた取り組みにより一時減少傾向にあったものの、金融商品詐欺(注21)やキャッシュカード詐欺盗(注22)など特殊詐欺の手口が多様化・巧妙化したことにより、2010年頃から再び拡大に転じた。

図表11-3 2010年頃から再び拡大に転じた特殊詐欺の被害総額、被害件数。2015年以降被害金額は減少に転じ、2018年以降は被害件数も減少傾向に転じた。
(図表11-3)特殊詐欺の被害総額・件数推移

三井住友銀行では、毎年「振り込め詐欺撲滅強化推進期間」を設定して、支店店頭での声掛け、ポスターの掲示、リーフレットやポケットティッシュの配布などにより、振り込め詐欺など特殊詐欺被害の実態周知、防止に向けた啓発活動を行った。特殊詐欺の増加傾向が顕著になってきた2012年2月には、店頭における注意喚起の声掛けルールを定めて対応を徹底した。こうした店頭での声掛けにより、実際に特殊詐欺を防止した事例も数多い。また、不正利用が懸念される法人口座の開設を阻止するために口座開設時の確認手続を強化するなど、特殊詐欺の未然防止に努めた。

一方、フィッシング詐欺は、インターネットの普及に伴い2000年代半ばから頻発するようになり、金融機関等がセキュリティ対策を講じているにもかかわらず、手口が高度化していることもあり、被害件数は高止まりしている。

三井住友銀行では、ホームページや新聞広告等により継続的に注意喚起を行う一方で、従来から実施している24時間365日のシステム検知の高度化など防止対応策を強化することによりフィッシング詐欺防止を図っている。具体的な対応は図表11-4の通り。

図表11-4 SMBCダイレクトやWeb21におけるフィッシング詐欺防止に向けた主な対応
(図表11-4)フィッシング詐欺防止に向けた主な対応
(画像)ミドすけが登場して不正送金被害の防止を訴えるホームページ
不正送金被害への注意を呼び掛ける三井住友銀行のホームページ