(4)決済代行サービスの強化

SMBCグループでは、電子商取引(EC)市場の拡大等を背景にしたキャッシュレス決済の浸透を見越してEC市場の事業者に対する決済代行サービス(注7)にも乗り出していた。しかしながら、自前での事業拡大には限界があると判断し、インターネット関連のインフラ事業最大手のGMOグループと手を組むこととした。すなわち、2015年6月に、GMOインターネット、その子会社であるGMOペイメントゲートウェイ、当社および三井住友銀行の4社で資本・業務契約を締結した。これに基づき、2015年11月に三井住友銀行51%・GMOペイメントゲートウェイ49%出資により、「SMBC GMO PAYMENT株式会社」を設立した。

同社は、EC市場の事業者に対して決済代行サービス「SMBCマルチペイメントサービス」(注8)を提供。事務・システムの運用をGMOペイメントゲートウェイに委託することでコストを下げ、SMBCグループ各社がお客さまに同サービスを紹介するスキームとなっている。SMBC GMO PAYMENTは順調に業容を拡大し、2019年度には黒字化を達成した。

さらに2021年4月には、SMBCグループのキャッシュレス決済戦略強化のため、SMBC GMO PAYMENTの資本増強および資本構成の見直しを行った。具体的には、三井住友銀行が保有する同社株式の一部を三井住友カードに譲渡するとともに、三井住友カードがSMBC GMO PAYMENTの第三者割当増資の引き受けを行った。その結果、資本構成は三井住友カード50%、GMOペイメントゲートウェイ40%、三井住友銀行10%となった。今後、SMBC GMO PAYMETは、三井住友銀行の顧客基盤、三井住友カードの決済ノウハウ・加盟店層、GMOグループの最新の決済技術という各社の強みを最大限活用できる体制を構築し、キャッシュレス化の促進にスピード感をもって取り組むこととしている(注9)