(2)事業部門制・CxO制の導入
SMBCグループは、グループ・グローバルベースでビジネスポテンシャルを最大化するため、2017年4月1日より事業部門制・CxO制を導入し、グループ経営を本格展開することとした。
その背景には、以下のようなSMBCグループを取り巻く外部環境の大きな変化があった。まず、長引く超低金利環境下で国内預貸業務の収益性が低下した一方、SMBC日興証券をはじめとするグループ会社のビジネスの強化・拡充を進めた結果、2016年度の連結粗利益に占める三井住友銀行以外のグループ会社収益の割合は38%と2002年度時点の18%対比大幅に上昇していた。また、お客さまニーズの多様化・高度化を背景に、グループ横断的な戦略立案によるビジネス展開力の強化とグループベースでの最適な商品・サービスのシームレスな提供による顧客対応力の強化が一層求められるようになった。さらには、バーゼルⅢをはじめとするグローバル金融機関に対する連結ベースの規制・監督が強化されるなか、持株会社を中心としたグループ・グローバルベースの経営管理体制の構築、資本・資産効率の向上が喫緊の課題となっていた。
事業部門制
当社は、お客さまセグメントごとに、グループ内の主要子会社・関連会社を横断した事業戦略を立案・実行する枠組みとして、リテール事業部門、ホールセール事業部門、国際事業部門(2020年4月に「グローバル事業部門」と改称)および市場事業部門の4つの事業部門を設置した。事業部門長は、指名委員会の審議を経て取締役会の決議で選解任され、年度ごとにグループ会社および主要な事業を中心に、担当する各事業部門の事業戦略(基本方針・主要施策・計数計画・資源配分計画等)を立案するとともに、策定した事業戦略に基づき所管事業の運営状況を管理、その結果をグループ経営会議および取締役会に報告することとした。
CxO制
CxO制は、持株会社である当社を中心としたグループ経営管理を一段と強化することを企図した制度であり、グループCEO(Chief Executive Officer)をはじめ、9つのグループCxOを設置した(注8)。グループCxOは、原則として指名委員会の審議を経て取締役会の決議で選任され(注9)、当社本社部門の各機能の統括責任者として年度ごとにグループの基本方針を立案するほか、当該方針に基づき所管業務の運営状況を管理し、結果を取締役会(監査結果については監査委員会)に報告する。こうした体制の導入を通じ、グループ・グローバルベースの企画・管理機能の強化等を進めた。

-
第1章不確実性が増す外部環境
-
第2章新たなガバナンスの下でのグループ・グローバル経営の強化
-
第3章「カラを、破ろう。」
-
第4章「お客さま本位の業務運営」の徹底
-
第5章リテール金融ビジネスにおけるビジネスモデルの変革
-
第6章ホールセールビジネスにおける真のソリューションプロバイダーを目指して
-
第7章グローバル・プレーヤーとしての進化
-
第8章高まる不透明感の下での市場ビジネスの進化
-
第9章アセットマネジメントビジネスの強化
-
第10章デジタル戦略の本格展開
-
第11章G-SIBsとしての内部管理態勢の確立
-
第12章業務インフラの高度化
-
第13章グループ経営を支える人事戦略
-
第14章持続可能な社会の実現に向けた取り組み
-
第15章「コロナ危機」への対応
- おわりに