(3)ソリューション提供力強化へのグループ・グローバルベースでの取り組み

2017年4月より始まった中期経営計画を契機に、当社はS&T強化プロジェクトチームを立ち上げ、グループ横断的・グローバルベースでのお客さまへのソリューション提供力強化に注力し始めた。S&T強化プロジェクトチームには、市場事業部門(注16)のほか、ホールセール事業部門および国際事業部門(注17)も加わり、全社的に、またグローバルに、お客さまの資金調達・運用のニーズを包括的に捕捉するための体制を強化した。

お客さまのマーケットに関わるニーズには、「リスクヘッジニーズ」と「リスクテイクニーズ」の二つがある。「リスクヘッジニーズ」は、事業再編などに必要な資金調達や、一段と進むグローバル化の下でのクロスボーダー決済の増加など、主に事業法人のビジネスに付随する為替リスクや金利リスクなどをヘッジするニーズである。市場事業部門は、他の事業部門やグループ会社と協働しながら、お客さまのビジネス全体における資金フローを把握し、リスクヘッジのための最適なソリューションの提供を目指している。

一方、「リスクテイクニーズ」は主に年金、アセットマネジメントなど投資家が資金運用を検討する際のソリューションニーズである。このニーズに対しては、SMBC日興証券を中心に、当社のグローバルな連携を高度化することで、お客さまのニーズに沿った商品を、適切なタイミングで提供する方針である。海外においては、米州で債券のS&Tを拡充したほか、アジアではビジネス基盤を拡充するなど、三井住友銀行とSMBC日興証券をはじめとするSMBCグループ全体の連携を強化しつつ、お客さまとのリレーションシップ拡充に注力している。

図表8-9 事業法人のお客さまにはリスクヘッジニーズがあり、投資家のお客さまには運用ニーズがある。
(図表8-9)お客さまのマーケットに関わるニーズ